今回はよく質問のある「ピルと妊活の関係とは?」という
テーマでお伝えします。
皆さんはピルと聞いてどのようなイメージをお持ちですか?
「大事な大会(予定)と被らないように月経をコントロールする」
「生理不順を正常化させる」
「避妊をする」
このようなイメージが多いのではないでしょうか?
まずピルと妊娠について考えてみます。
妊娠をするためにはまず精子と卵子が出会うことが
必要ですよね?
子宮内は異物から身を守るために酸性(pH4.0〜5.0)に
保たれています。
精子は弱アルカリ性で酸性環境に弱いため、
射精後30分程度で急速に運動性が失われます。
このように卵子と精子が出会うというのは
簡単なことではないんですね。
ここで重要になってくるのが、粘液(オリモノ等)です。
オリモノには大きく分けて2つの作用があります。
①自浄作用:細菌などの侵入を防ぐ
②受精を助ける:精子を包んでサポートすることで
卵子まで届きやすくする
この作用のおかげで外部から子宮を守るとともに
受精しやすい環境を整えているんですね。
ではピルを飲むとどうなるでしょうか?
ピルの効果の1つに
「精子が子宮に入らないように止める」
というものがあります。
これは言い換えればオリモノを少なくする
ということになります。
ということはオリモノの働きである
①子宮を守る
②精子と卵子を出会いやすくする
ができなくなってしまいます。
その結果、子宮環境が心配になりますよね。
また腸内環境への影響も考えられます。
身体を守れなければ子宮や卵子への影響も出てくる
可能性があります。
そのため外部から身体を守るということに
より意識を向けることが必要になります。
ここで間違ってほしくないのは、決してピルがダメと
言っているわけではないということです。
・生理痛や生理不順などで困っている方
・大事な大会(予定)に被ったら困るという方
上記のような悩みを抱えている方に対しては、
メリットがあります。
ただここで気をつけておかなくてはいけないのは、
ピルを飲むというのは「処置」であり、
根本的改善ではないということです。
そのため正しく使用することが大切になります。
薬などに頼ることが必要な時ももちろんあります。
でも依存してはしまうのではなく、
あくまでも補助として使いながら
自分の体質を変えていくことが本当に大切なことです。
これまで説明してきた内容を知っていただくことで、何かのヒントになれば嬉しく思います。
島津 偉匡
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